フクちゃんのC 5.11c(備中・杉田ロック)

杉田ロックが開拓されていた頃、私はニューエリアに通い込んでいたので、なかなか杉田ロックには行けなかった。初めて杉田ロックを訪れたのは、すべての開拓が終わったあとだったと思う。

今でもよく覚えているが、初めて杉田ロックに上がったとき、岩場には MORISAMA がおられて、「一番右(フクちゃんのC)が“5.10C”でアップにええぞ」と勧めてくれた。
言われるままアップでフクちゃんを登ったのだが、意外に悪くて核心で何度もクライムダウンを繰り返し、「テンならこのへんにガバがあるはずやけどな~?」と行き詰まってしまった。下で私の登りをニコニコ見ていた MORISAMA を見下ろし、私もニコっと笑顔を返したかどうかは忘れたが、強引ともいえるムーヴで核心を突破した。が、こっ細かい!これ、5.10はあんまりでは?!

なんとかオンサイトすることができたが、降りてすぐ MORISAMA に「5.10はひどい、“5.11a”はありますよ~」と詰め寄った。現在このルートのグレードは5.11C…、数字がひとつ違うんですけど(^^;)
どうやらこのとき、私も備中グレードに感化されていたらしい。

杉田ロックの右壁には、このルートのほかにも「勉強になりました 5.11d」「我が家 5.12d」「変なこと 5.12a」と、良質のストレニ系薄被りルートが揃っている。コルネをグイグイ登る2ルンゼや権現と違って、カチに耐えてバランスで登るクライミングは今風ではないかもしれないが、片手保持のカチが続くこれらのルートは、オンサイト力が試される。

それからフクちゃんのCには、妊娠初期の嫁が妊娠してるとを知らずに打ち込んで、フォールしまくったという思い出もある(笑)。

(2007/07/04に公開)
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* 羽山・ルールと注意点


プリシラ 5.14a(備中・長屋坂)

プリシラは、何回やったか分からないくらいに打ち込みまくったと自分では認識していたが、よく調べてみると、えっ、そんな少なかったかな…くらいの日数だった?
2004年の冬に初トライして、その年は3月までに計3日間。RPした年は計5日だから、合計8日間での完登ということになる(ニ年越しの計8日で便数は覚えていない。…少なくはないか ( ̄ ̄;)!)

プリシラが自分にとって厳しいルートであったことは間違いないけど、これだけハマッた理由を考えてみると、最初の年は膝の手術前だったし、そのあともコンディションがなかなかよくならずで、良い状態で登れなかったのも多少は影響したのかもしれない(言い訳)。

RPした日も核心のスタンスが濡れていて、自分のコンディションばかりか岩の状態も良くならない状況に、さすがの私も諦めムードであった。
一回目のトライは、その濡れたスタンスでやっぱりスリップ。二回目も下部で足がすべって、こりゃ今日もダメだなとガックシみたいな感じであったが、そのあとN原君のビレイを一時間くらいしてから、これで落ちたら回収しようと決めて登ったら完登できてしまった。核心の一手では、止まると思ってなかったのでびっくりしてホールドを離しそうになったが、なんとか耐えてプリシラを足元にしたのであった。無欲になったのが勝因だったのかもしれない。

プリシラは、岡山出身のクライマーK村氏が帰省の際にボルトを設置、そのあと長屋坂を訪れた大ちゃんによって初登されたルートだが、 MORISAMA やマッスルさんのルートが多い長屋坂では異色のルートと言える。
初登時、グレードは5.13d/5.14aで発表されたが、その後、核心で踏む重要なスタンスが欠け難易度がアップ、今では5.14aでもいいのではといわれている。
二段+2級+5.8=5.14a ・・かな?
ルートは短くボルダー的な要素が強いが、私は30分以上のレストを入れないと再トライできなかったので(ボルダーなら5分も休めば回復する)、やっぱりルートなのかもしれない。

核心のカチが止まらずワンテン地獄にはまり、これは私には登れないのかと諦めかけたが、最後はよく登ったと思う。

(2008/03/09に公開)
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* 羽山・ルールと注意点


バイタミンR 5.14c(備中・じゃろう岩)

僕(中原)が備中で登った中で最高のルートは「バイタミンR 5.14c」!!
で、1年半前の僕のブログの記事をいじって書き込みします。

実はバイタミンRを初めてさわってみたのはクライミングを初めて1年半のこと…。
僕がびんぼうゆすり5.13bをトライしてた時に升本さんがちょっとバイタミンやってみるって感 じで升本さんはバイタミンにトライしてました。
予想は的中。 しかし、上からかなり難しそうなこと言ってるので僕もちょっとやってみよ~って感じで 升本さんが降りたあとにすぐにトライしてみるが手も足もでない!!

人間が持てるホールド か!?っと思った(^.^)せめてヌンチャク掛けだけにでも~っと思ってやってみるがヌンチャク掛けさえもできなかった…。
これが14か~と思いました。それから2年半、僕は数々のルートを登りまくり、コンペにも出てちょとずつ成長してきた。本当に成長したのかな~ 。

そして時はすぎ2006元日に「空」という最初の14を登り、ここらへんからバイタミンR にとりついても大丈夫だなと思い今年の2月の半ば多久さんとじゃろう岩に行きバイタミンRをふたたびトライする。ん!?なんだこのホールドは!?クライミング初めて間もないときにはホールドさえどこにあるかわからなかったのに今やホールドが見えて見えて見えまくる!!
びっくりした僕はこれは春に登ってやると決心した。 ちなみにその時は全部、ボルトとボルトの間は全部、一撃でいった!
それからおもに多久さんとじゃろう岩にかよっていた。多久さんはびんぼうゆすりをやっていました。僕は運がよかった☆またじゃろうに行き二日目のトライの時に午後4時に来た小○さんもバイタミンR にとりつく、どうやら小○さんもこの春にバイタミンを登る決心をしたようです。
この日から競走し始めた。
ちなみに僕はこの日、1テンでした!これは5目のトライぐらいには登れちゃうかもと思 い何日かレストしてじゃろうに行くとあれ~??
じゃろう岩が消防車によって濡らされたかのように染みだししている(+_+)ダメだこりゃ~と思いこの日は確か長屋に行ってました。

それから何日かたってじゃろう岩に行くと染みだしはしてるが、まあ前より乾いてる からやってみたが、手はもちろん、クライミングシューズがビショビショに濡れた。く~っ。。仕方ないまた次回だ…またまたじゃろう岩に行く。やはりちょっと染みだしして る。でもだんだん乾いてきてるのがわかる。そして悲劇はおこる!僕が最後の核心、小さいホールド(ノブ)をかけさしてしまう。。小○さんによってシッカーで固めてくれました☆ありがとうございましたm(_)m テンキューフォオーミニッツ!!
この日をさかいめにノブはずっと濡れてる…ノブを乾かしながらのトライとなった。。。 さらに羽原さんはこれからどんどん染み出してくると語ってたのでかなり不安だった。。

その後、ユースチャンピョンシップがあり決勝のオブザベーションして、アイソレーショ ンでイメージトレーニングしてたことは決勝の課題ではなくバイタミンR だった笑。
頭が痛くなるほどバイタミンR のことしか考えてなかった。どんな時も…お風呂の中はもちろ ん、電車の中で、寝る前、食べるときも、そう言えば寝てる時も夢見てバイタミン登っていたような…、それぐらいバイタミンR のことしか考えていなかったです!! ・今思えばすごいな・・・。

ユース合宿が終わり岡山に帰り疲れてる中ふたたび29日にトライ!!ワンフィンガーまで登るが残念ながら登れなかった。。でもこの日は長屋でプリシラ登ったからよし☆1日レストして3月31日藤沢さんとじゃろう岩に行き、よいではないか12aでアップして、ち なみに落ちた^^;寒くて感覚ない!だって朝方、雪つもってたんですよ!異常気象ですね (^^ゞそしてバイタミンを掃除しながら登り、降りて体があたたかいうちにと10分後にトライ、ワンフィンガーまでいくがあっさり落ちた。じゃろう岩が真っ白になるくらい、いい天気になって1時間休んでまたトライ、ワンフィンガーとってガバとってこれはいけたなっと思って最後の最後にでてくるスローパーで落ちる!!!僕はバカヤロ~!!!!×2.。と何回も叫んだ。この時に思った、あと3分やすんどけば登れてたかもって。

それからじっく り2時間休み、靴をはいたり、ぬいでの繰り返しでトライする気がむいたその時がきたので超本気トライでバイタミンR にとりかかる!パキッってもいいや、みたいないきよいで登った。そして時はきた!! !ワンフィンガーをとめてガバとめて、スローパー止めて最後のガバを止めた!!!!そして最終クリップをかけた時は非常に嬉しかった(^-^)ノ~~
ついに登ったか~‥ふぅ~~。一気に力が抜けた。ピチョンピチョンになりました!ちなみに第2登です!
しかし満足はしてません!これからもっともっと伝説うみだします!この日は今までクライミングをしてきて今のところ一番嬉しい日でした!!!!!!

(2007/8/19に公開)
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* エリアでの注意点・マナー


愛の力 5.11d (備中・センターロック)

杉田ロック(ウエスタン)と同じ谷の上流に、天空の城(センターロック)がある。
ルート数も多く、5.11台の好ルートが並ぶコルネがよく発達したエリアだが、アプローチと急な取り付きを敬遠してか、訪れるクライマーは少ない。
というより、今ではほとんどいないと言うべきか。

センターロックのアプローチは、杉田ロックへのアプローチが左山腹に登る地点から徒渉して上流に続く小径を行く。右側に森脇ロック(イースタン)見送り、再度徒渉して左のルンゼを急登すれば岩場だが、今では杉田ロックから先は道が荒れていて悪い。
ダムの駐車場から普通に歩いて40分くらいか。
また、岩場の取り付きは急なルンゼ(2ルンゼより広い)で、足場が悪く落石にも注意しなくてはならないので、くつろぎスペースを見つけるのに苦労する。
初めて訪れたクライマーは、よくもまぁこんな所を開拓したものだと感心してしまうだろう。

5.11台の好ルートが並ぶと書いたが、「愛の力」「もののけハゲ」「もう登らんでよろしい~」「ラムネッチ」など、コルネ登りを堪能できるルートが多いのが特徴で、その中でも管理人おすすめのルートは、コルネ登りと読みが試される「愛の力 5.11d」である。
もし、「愛の力」が」が2ルンゼなどの近いエリアにあれば、間違いなく人気ルートになっていただろう。

他にも楽しいルートが多くあり、5.12台では「シャドー 5.12c」「大手まんじゅう 5.12a」などがストレニで面白い。
このままセンターロックが忘れ去られ、自然に還るのは非常にもったいないように思うのは私だけであろうか。

(2007/10/15に公開)
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* エリアでの注意点・マナー


男の花道 5.13c (備中・羽山渓)

今さらここで紹介するまでもなく、「男の花道」は備中を代表する素晴らしいラインである。

開拓者の森脇氏は、備中で数多くの『傑作』を拓いておられるが、その数々のルートの中でも、「男の花道」が氏の最高傑作の一本であることは間違いない。
当初ルート名に“男”はなく、「花道」であったことは感慨深いが、それにしても「男の花道」、なんと渋いルート名なんだろうか。

私が「男の花道」を完登したのは8年ほど前で、確かサイコネス(学力石)を完登した二週間後に完登した。パワーエンデュランスかつ、テクニカルな内容に苦労したが、5回目くらいでRPしたと記憶している。
この時の私は、怪我明けの絶好調期というか、次々に狙ったルートを落とせて調子に乗っていたが、憧れの「男の花道」を完登できたことは非常に嬉しかった。
RPしたあとも、持久力トレーニングとしてよく登ったが、いつも頭が真っ白になるくらいパンプして再登できる確率は低い。

「男の花道」は、右のハング帯に比べて傾斜はないが、休めないカチが連続するため非常にストレニである。「棲竜門」が全身パンプ系なら、「男の花道」は前腕死後硬直系かな(笑)。
ユージさんや松島君ですらオンサイトに失敗しているが、去年、岩場経験に乏しい安間くんがオンサイトしたとき、そのパフォーマンスに言葉もなかった。本当にビックリだったわけだけど、安間君がどこまで行くのか非常に楽しみである。

ご存じ羽山は三つ星ルートが並ぶ★だらけのエリアだが、「男の花道」には五つ星を与えたい。

(2007/10/15に公開)
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* エリアでの注意点・マナー


初夜の床上手 5.11d (帝釈峡・岩谷エリア)

「初夜の床上手」というルート名を、フリーファンに掲載された記事で初めて見たとき、広島の人は○がないな~と正直思った。
でも、テラスなんかがあるんやろな~と想像をふくらませ、すぐに登りに行ったように記憶する。(*^_^*)

岩谷に行くと、開拓者のY氏も来ておられ、帝釈峡のいろんな情報が聞けた。
「バージンロード」でアップをすませて、「初夜の床上手」をオンサイトトライする。今から10年前の当時、5.11台はコンスタントにオンサイトできていたので、それほど気合いも入れずに、上部にあるかもしれない”床”とはどんなかな?くらいの気持ちで取り付いた。

しかし、三倉で鍛えられたY氏のルートは、バランスクライミングの要素が強く、同じ石灰岩でも備中のルートとはまったく異質なものがあり、例えるなら関西の柏木をもっとやらしくしたような、はたまた南仏にあるクラシックなルートのような…。とにかく下部から大はまりしてしまい、Y氏を非常に喜ばせてしまった。

すべりそうなスタンスと、どこを持っていいのか分からないホールド。最上部の”床”にたどり着いたときは、ボロボロ状態に。しかもホールドを見落とし、床で何度もマントル、そして落ちまくった。
自信があったのに、「床上手」には当時のレベルではとてもなれなかった(笑い)!

といっても、その日は非常に暑く、コンディション的には決して良くなかったので、次に行ったときにはそこまで悪い印象はなくR.Pできた。
5.11dだが、岩場をあまり登っていない今時の人工壁クライマーには、ちと厳しいかも。しかし内容は非常に濃く、両隣の「初夜の床」、「デスペナルティー」とともに帝釈を代表する5.11ルートだと思う。

(2007/07/04に公開)
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* エリアでの注意点・マナー