センデロルミノソ 5.12c(備中・権現谷)

笹の茶美人に成功して、次は権現で何を登ろうかと迷っていたら、当時はまだ元気に?クライミングしていた四国のエビータさんに「センデロをやったらええ」と、いかにもハメてやろうみたいな感じでこのルートを薦められた。

エビータさんが言うには、中間部にボルダームーヴの核心があって、「わしにはでけんのや~」とのことだった。
なるほど、岩雪のトポにも「非常に厳しい核心である」とある。
そんな自分ができんもん人に薦めんなよーと思いながらも、グレード的には射程圏内だったのでとりあえず登ってみた。

核心のムーヴは今の感覚なら2級くらいなんだろうが、当時の私にはきびしく、さんざんハングドッグしてなんとかムーヴを解決した。
といってもムーヴができてしまえば、核心の手前で休めるので、すぐにR.Pできたように記憶している。

確かにワンポイトなルートかもしれないが、核心の前後もやさしいわけではなく、むしろ核心の後もストレニで、全体的に気が抜けないルートだと思う。
イメージ的には、隣の河原べいとを難しくして2級くらいの核心を加えた感じ。

最近は誰も登ってないようで、チョークが全然ついていないが、今のレベルではそこまで厳しいということはないので、もっと登られてもいいルートでしょう。

(2007/07/04に公開)
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* エリアでの注意点・マナー


笹の茶美人 5.12d(備中・権現谷)

権現谷には、スケールのあるストレニュアスな好ルートが並んでいる。
その中でも「笹の茶美人」は、「もも(5.12a)」や「下には下がおる(511d)」とともに、権現だけでなく備中を代表する質の高い人気ルートだ。

私が始めてこのルートを登ったのは、今から10年前。5、6回目でR.Pした記憶があるが、自身初めての5.12+の完登だった。
取り付きがルーフになっていて、2~3級くらいのボルダームーヴでスタート。
初めはその部分をとばして、上部のルート部分(今は”さの茶”と呼ばれている)だけを登り、その後下からつなげて完登した。
今では、ボルダーからスタートしても、上だけ登っても「変わらない」などと言っているけど、当時のレベルではいっぱいいっぱいだったのだろう。

上部は、美しい前傾壁に散らばるカチが核心終了まで続き、その一手一手にムーヴがあるので面白い。ホールドはどれもよくかかり、そこまで悪いという感じではないが、最後までレストができないので、パワーエンデュランスな内容となっている。

昔のトポに「エキスパート向けの好ルート」と紹介されているが、今のレベルではエキスパート向きはともかく、好ルートであるのは間違いない。
権現には今でもよく行くが、このルートは行けば必ず1回は登る、何回登っても楽しいルートだ。

(2007/07/04に公開)
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* エリアでの注意点・マナー


ランコロ 5.12b(備中・ニューエリア)

ランコロは、私にとっての初 5.12b(細かい!)。
そのときすでに、「美しくカンテ」や「けもの道」は登っていたが、両ルートともその当時は5.12a だったのでランコロが登れたときは嬉しかった。
グレード更新がかかり、早く登りたくて、RPした日は仕事を休んで登りにいった。
といっても4、5回目で落とせたので、なんでこのルートが美しくカンテよりグレードが上なのか?と不思議に思ったりもした。

カンテや水の泡などの人気ルートに比べて少し地味な感はあるが、ムーブが多彩で、ステミングやレイバックなんかが出てきておもしろく、ストレニ系のいいルートだと思う。
みんなは終了点のクリップが核心と言うが、私は体型がマッチするのか、そこまで悪いと思わない。実際、京都物集女街道(ランコロのロングバージョン5.13d)を登ったときは、終了点のホールドでけっこうレストできた。

このルートは、初登されるまでは設定者が四国の人ということもあって「四国第一国道」の仮称があった。
しかし物集女のセクションがつながらず、登れるところまでの場所に終了点を設置、そして初登された。それで終了点の位置が悪い。
ルート名の由来は、初登者のランクルが事故してこけたかららしい。

その後、上部までのラインが京都のK住君によって登られ、ランコロの終了点を撤去するかしないかが話題になったりもした。
私個人の意見として、物集女街道を登るとランコロの終了点がけっこう邪魔になる。そこでランコロの終了点をカラビナのみ(もちろん2枚)にしたらどうだろうか?そうすればかなりすっきりすると思うのだが。

(2007/07/04に公開)
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* 羽山・ルールと注意点


もう秋た 512c (備中・羽山渓)

初めてこのルートを登ったのは今から10年くらい前かな。
羽山右壁の最弱点をついた見事なライン取りと、ムーブの多彩さ、それにルートの美しさはすばらしいの一言であり、備中屈指の好ルートだと思う。

初登者は当初、最上部を直上しようと打ち込んだが、どうしても繋げて登ることができず、結局、直上を諦めて「直上はもう飽きた」と、右にラインを取り初登したのがルート名の由来。
しかし、どう考えても右が弱点だったので、そのとき直上では登れなかったが、弱点をついた大人気ルートの誕生となったので、結果オーライ、それはそれでよかったのだろう。もしこのとき、初登者が直上に成功していたら、もう秋たというルートは存在しなかったかもしれないのだから。
直上の方は長い間プロジェクトだったが、ご存じのように平山ユージ氏により初登され、今では羽山の5.13ルートの登竜門的存在となっている。

少し前だが、「そのまま過ぎた」が登攀禁止なら、同様にこのルートも登攀禁止にするべき、という意見があった。
「そのまま過ぎた」は、取り付きこそ左の「半日仕事」と同じだが、途中から大きく右にトラバースし、最後はルートが道路の上にくる。
今までクライマーと車との間にトラブルなどは起こっていないと思われるが、これから先も、接触事故などトラブルが起こらないという保障は誰にもできないわけで、もしこの先、「そのまま過ぎた」が原因でトラブルが起きてしまい、エリア自体が禁止にでもなれば取り返しのつかない事態になるため、問題が起きる前に手を打とうと、クライマー間で話し合いが行なわれ、登攀禁止を取り決めた。
「そのまま過ぎた」はムーブが面白い好ルートで、登攀禁止はとても寂しいが、この取り決めは客観的に考えた場合、最良の措置だったのではないかと考えている。

さて、もう秋たで問題とされるべき点は、ロワーダウン時に屋根の上に降りてしまうこと、1ピン目までがアブミによるA1のため多くのクライマーが1日中アブミを掛けっぱなしにしている点、それと、トンネルから出てきた車からビレイヤーが目立ってしまう点、などである。
したがって、「そのまま過ぎた」とは明らかに問題点が違うといえる。

TCNetでは一昨年、もう秋たの取り付きを右の「見苦しくカンテ」と同じにすることでそれらの問題点を回避することができると考え、もう秋たの取り付きを変更した。

(2007/07/04に公開)
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* エリアでの注意点・マナー


ダンゴのリズム 5.10c (備中・2ルンゼ)

初めて2ルンゼを訪れたときに(というより備中自体初めてのとき)、このダンゴのリズムが登れず、ずっと中間部コルネ帯でぶら下がっていたら、隣のフェイスのヌンチャクを回収していたS井君が、ダンゴのリズムの終了点の横で「ダンゴのリズムも回収しましょうか、どうします?」と、にやにやしながら言ってきた。悔しかったけど、一時間近くもぶら下がっていたので回収を頼んだ。

「ダンゴのリズム」は、コルネを使って体をフリフリして登る、短いけどこれぞ石灰岩というルートで、信じてもらえないかもしれないが、その時が初めての石灰岩だった私は、このルートに手も足もでなかった。

その悔しさから「2ルンゼを全部登る!」と心に誓い、それから一年くらいで2ルンゼを征服した(笑)。

(2007/07/04に公開)
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* エリアでの注意点・マナー


クラッシャーリョウ 5.12b (白滝の岩場)

「クラッシャーリョウ」のある白滝の岩場は、ルートの質、スケールともに申し分のない岩場で、備中屈指のスケールを誇るエリアである。
しかし、未発表のためにほとんど知られておらず、あまり登られていない岩場でもある。
どこにも発表されたことがないうえトポさえもなく、それに加えて用瀬周辺のメインエリアから離れていること、岩場が鬱蒼とした杉林で陰気な雰囲気であることなどが、最近クライマーが訪れない理由だろう。

「クラッシャーリョウ」は、いかにも石灰岩らしいコルネをつなげて登る長い持久力ルートで、このグレードの備中のルートの中では数少ないオンサイト向きの好ルートだろう。

この岩場があまり登られていないもう一つの理由として、駐車スペースの問題がある。岩場のすぐ横の駐車スペースは、詰めて置いても2台が限界で、そこに停めれないときは、下の県道の広いところに停めて歩かなければならない(アプローチ20分くらい)。

白滝にはプロジェクトがまだ3本残っている(うち一本は5.14以上は確実)。
今年こそはプロジェクトを完成させるべく、秋からは通いたい。

★ルート紹介(右から)
プロジェクト(5.14?)
クラッシャーリョウ 5.12b☆☆☆☆
チラベルト 5.12b/c☆☆
move13 5.12c☆
ファンタジスタ 5.12d☆☆
岩崎ルート 5.13a
プロジェクト(打ちかけ)
プロジェクト(5.13+?)
(詳しいトポはいずれアップします)

白滝の岩場は民有地である。訪れたときは、植林地の中で登らせてもらっているという意識を持ち、節度ある行動をお願いしたい。
駐車は下の県道にした方が無難だろう。

(2007/07/04に公開)
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* エリアでの注意点・マナー