TCNet FAQ よくある質問とその回答集

Q1では、まったく未経験の人や初心者からよく受ける質問を集めました。
Q2とQ3については、これまでに TCNet へ寄せられた、クライマーからの疑問・質問をまとめたものです。

Q.1.1 フリークライミングとはどんなスポーツですか?

フリークライミングとは、自然が造り出した形状を利用し、手足(または五体すべて)だけを使って岩を登る、ロッククライミングの一種です。
登る手段に自分自身の身体しか使わないというルールで成り立っているため、人工的な補助(ロープ、支点の設置など)は墜落に対する安全確保のためだけに使用されます。
自然の岩場は、形状、傾斜、フリクション(滑りやすさ)などが、すべての岩場・ルート(コース)で異なるため、変化に富み飽きることがありません。
また、登るためには様々な身体の動きが必要となり、クライミングを通じてこれらの動きを修得し、岩を完登することは非常に充実感があります。
近年では、野外での岩登りを屋内に再現した人工壁の利用も盛んです。天候に左右されずにクライミングを擬似体験できます。

Q.1.2 危険なイメージがありますが、やっぱり危険ですか?

岩登りといえば、なにか危険なイメージをお持ちになるかもしれないですが、山岳地帯でのロッククライミングと比較して、近郊の比較的小さな岩場を対象とするフリークライミングは、山岳地帯でのロッククライミングから「危険因子」を取り除き、高強度な道具(命綱等)を使用することで安全性を確保し、よりスポーツ性を高めたクライミングといえます。
近年そのスポーツ性が注目され、フリークライミングは国体の競技にもなっています。 世界的にみても、欧米を中心にクライミング競技は盛んで、オリンピックの種目になる日もそう遠い話でないかもしれません(実際トリノ五輪では、クライミングのデモ競技が行なわれたようです。国内でもすでにJOCが強化種目として取り入れています)。
しかしながら、登るという行為には現実問題として高さがともないます。どれくらいの高さかにもよりますが、常に落下という危険が付いてまわります。 フリークライミングでは、落下による死亡や怪我を防ぐ技術が確立されていますが、完全に危険性を取り除くことができるわけではないので、常に危険性を認識しながら登る必要はあります。

* フリークライミングとは

Q.1.3 ジムとかで筋肉をつけてから挑戦した方がいいですよね?

「懸垂ができないとダメですよね?」「やっぱ握力なんでしょ」などの質問を、クライミング未経験の人からよくを受けますが、これはまったく見当違いで、クライミングを誤解した質問というほかありません。
確かに懸垂力や握力が要求される場面がないこともありませんが、そんなことよりむしろ体全体のバランスや柔軟性、パズルを解き明かす思考力、などの方がクライミングには必要といえます。
また、数あるスポーツの中でもフリークライミングは、最も合理的な筋肉がつくスポーツだといわれています。クライミングのための筋力はクライミングでしかつきません。ジムなどで器具を使ったトレーニングを実践しても、効果はほとんど期待できないと思います。

Q.1.4 競技会や大会はあるのですか?

もちろんあります。
フリークライミングの競技会では、天候など自然条件に左右されることがないよう、また、公平性の面からもほとんどが屋内の人工壁で行われます。
壁の高さや形状に応じて課題・ルート(コースのようなもの)を設定し、どこまで登れるかを競います。 クライミングの競技会は゛クライミングコンペ゛と呼ばれ、近年全国各地で開催されています。中国地方でも、各県を周るツアー戦「C5TOUR」が行われています。

Q.1.5 フリークライミングを始めたいけど、どうしたらよいのか…。

フリークライミングを始めるために、まずはどのようにアプローチすればいいのか?
意外に、初めての人にはこれが関門かも知れません。でも、まったく心配はご無用です。以下のページに、フリークライミングを始める方法をいくつか紹介しています。

* フリークライミングはじめませんか!

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Q.2.1 ニューエリアのアプローチは、日曜でも車道の通行はダメですか?

ニューエリアへのアプローチは、必ず登山道からお願いします。
コンクリート車道は私有地です。日曜日も含めて通行は厳禁です。

用瀬エリア入り口の看板

* 特に注意が必要なエリアと注意点

Q.2.2 羽山では、ヌンチャクの残置が認められていないと聞きましたが。

羽山は県道に面した特殊なエリアです。
壁に揺れるヌンチャクを見て不審に思う人もいるでしょうし、ヌンチャクだけが残っているのを見て、「クライマーが遭難した」などと思う人がいないとも限りません。
羽山は観光地であり、非常に人目に付くエリアです。ヌンチャクはなるべくその日の最終便に回収するよう努めましょう。
TCNetでは、「週をまたぐヌンチャクの残置はしない」を、羽山のルールとしてクライマーに呼び掛けています。
そのほか、人目に付くエリア(権現、長屋など)では、週をまたぐヌンチャクの残置はやめた方がいいかもしれません。

* 羽山トンネルサイドエリア・ルールと注意点

Q.2.3 デッケン、原滝山の情報を知りたい。

デッケンエリアは、国指定の天然記念物・大賀デッケンに位置するため、登攀自粛となっています。
原滝山に登りに行く場合、地主の方に一声かけて入山してください。 駐車方法、入山時の注意点など聞いてから入山することをおすすめします。

* 特に注意が必要なエリアと注意点

Q.2.4 雨でも登れるエリアはどこですか?

高梁川流域のクライミングエリアは、一部を除いて傾斜が90度以上あります。したがってほとんどのエリアでは、物理的に直接の雨は当たりません。
しかし、直接の雨が当たらなくても「染み出し」「結露」「垂れ」など、他の要因により岩が濡れることはよくあります。
晴れていても壁はビチャビチャ…、なんてことは石灰岩では日常茶飯時です。

Q.2.5 高梁川流域にあるプロジェクトラインを教えてください。

  • 羽山トンネル / 空知ダイレクト(公開・推定グレード 5.15)
  • 羽山渓谷 / お堂エリア左(非公開・推定グレード 5.14後半)
  • 奥の院 / 蟻地獄右(公開?・推定グレード 5.13)
  • 権現谷河原 / 一番左(公開・推定グレードは?)
  • 権現谷 / パンダ岩(非公開?・推定グレード 5.14c?)
  • センターロック / タタリ左側(計3本あり、非公開?・推定グレードは?)
  • 白滝 / 左のハング(公開・推定グレード 5.13)

その他、非公開エリアには公開・非公開プロジェクトが多数あります。

Q.2.6 帝釈峡・岩谷エリアでの注意点を教えてください。

エリアへのアプローチ林道は私有地です。林道には絶対に駐車しないでください。また、県道の広くなったスペースも、数時間に及ぶ駐車は駐車違反の対象となります。クライマーは必ず、遺跡の前の川側スペースを駐車場として利用してください。地域とのトラブルを起こさないよう、節度ある行動をお願いします。

* 特に注意が必要なエリアと注意点

Q.2.7 再生されていないルートを登るのは危険ですか?

クライミングに完全な安全を求めるのは無意味です。
プロテクションは登攀の単なる補助具であって、危険を完全に取り除くためにあるものではありません。クライミングにおける安全の是非は、クライミングする側の技量にあるといえます。
TCNetでは、岩質や傾斜、既存支点の老朽具合、ルートの人気度等を考慮してルートの再生を実施しています。
再生を行う理由は、無くてもよい危険性を排除することであって、クライミングが内包する危険をすべて取り除き、ルートを安全にするために行っているわけではありません。
したがって、ルートが危険かどうかは、そこを登るクライマーの判断に委ねられていると考えられます。

Q.2.8 ハンガーが回っているときの対処方を教えてください。

ナットが緩みハンガーだけが回っているのと、ボルト自体が回っているのとではまったく現象が違います。
まず、そのことをクライミング界の常識にしましょう(笑)。
ナットが緩んでハンガーが回っているだけなら、ナットを締めるなり、座金を介すなりすればとりあえずはOKです。
しかしボルトが回っているときは、すぐにそのルートを登攀禁止にするべきです。そのようなときは、TCNetに情報をお寄せいただければ対処します。
それから、ハンガーが回って岩面とハンガーが正しく接触していない場合、フォール時に抜ける方向に力が加わる恐れがあり大変危険です。回っているハンガーは放置せず、その場にいるクライマーで必ず処置をしてください。

Q.2.9 岩場近辺におすすめキャンプ場はありますか?

備中、下帝釈峡周辺には、環境抜群のキャンプ場が多くあります。
その中でもおすすめのキャンプ場は、備中湖畔の「西山高原」、満天の星空が魅力の「弥高山」、帝釈方面では、野鳥の楽園「まほろばの里」などです。

Q.2.10 レスト日に観光したいのですが、おすすめの観光地を教えてください。

高梁川流域には、名所・旧跡・景勝地などの観光名所がたくさんあります。中でも、カルスト台地特有の鍾乳洞や滝に代表される景勝地がこの地域には数多くあり、鍾乳洞の数においては日本で最も多いと言われています。

* 岩場周辺の観光地 * 地域のイベント情報

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Q.3.1 TCNetはどのような活動をしていますか?

TCNetの活動は、「地域との交流」「岩場の環境整備」「アクセス問題への取り組み」「情報の収集・発信」などです。

* TCNetの主な活動  * これまでの活動

Q.3.2 TCNetの目的は何ですか?

備中周辺には、現在約30のクライミングエリアがあります。
TCNetの目的は、現存するエリアの環境を育み、流域の持つ無限の可能性を実現することです。そのためには、地域から歓迎していただけるスポーツ活動としてクライミングを認知していただけるよう、今後も活動を展開していかなければならないでしょう。

Q.3.3 TCNetの活動には誰でも参加できますか?

もちろんです。流域で登るクライマーなら、どなたにでもTCNetに参加していただけます。
現在TCNetの運営は、代表と数人の世話役のみで行っていますが、クライミングエリアの範囲・流域のクオリティ等を考えると、クライマーの皆さまの協力が必要不可欠といえます。
クライミング環境向上のため、ぜひともTCNetの活動にご参加ください。

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